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Clash Windows 版のインストールと設定の全手順・よくある問題の回避策
ダウンロード・インストールからサブスクリプションのインポート、システムプロキシの有効化までの全手順と、Windows でよくある権限・ポート競合問題の対処法を解説。
ダウンロードとインストール:まずクライアント選びから
Windows 向けに現在も活発にメンテナンスされている Clash クライアントの中では、Clash Verge Rev が現時点での第一候補です。Tauri フレームワークベースで、カーネルは現行の mihomo(旧 Clash Meta)、日本語を含む多言語インターフェース、安定した更新ペースが特徴です。Clash for Windows は 2023 年 11 月にメンテナンスを終了し、配布リポジトリも削除されました。新規インストールには推奨できず、既存ユーザーも早めの移行をおすすめします。クライアントダウンロードページで Windows プラットフォームを選び、x64-setup で終わるインストーラーをダウンロードしてください。ポータブル版はレジストリに書き込みたくない場合に適しており、機能は同じです。
インストール時の3つの注意点
- SmartScreen のブロック:オープンソースのクライアントは一般的に EV コード署名証明書を購入していないため、インストーラーを初めて実行すると Windows が「Windows によって PC が保護されました」と表示することがあります。「詳細情報」をクリックしてから「実行」を選べば続行できます。これは署名のないオープンソースソフトウェアによくある警告です。ただし、インストーラーが確実に当サイトのダウンロードページから入手したものであることが前提です。
- インストール先:デフォルトでは現在のユーザーにインストールされ、管理者権限は不要です。デフォルトのままにすることをおすすめします。パスをカスタマイズする場合は、日本語(全角文字)・スペース・特殊記号を避けてください。一部のカーネルコンポーネントは非 ASCII パスの処理が不安定です。
- ファイアウォールのダイアログ:カーネルの verge-mihomo.exe を初めて起動すると、Windows Defender ファイアウォールがネットワークアクセスの許可を求めます。「プライベートネットワーク」にチェックを入れて許可してください。誤ってキャンセルするとローカルのプロキシポートがブロックされ、クライアントは起動しているのに接続できない状態になります。
初回起動後の3つの確認事項
- インターフェース言語:設定ページで日本語に切り替えられます。新しいバージョンではシステム言語に合わせて自動で設定されます。
- カーネルの状態:設定ページまたはバージョン情報ページで mihomo のバージョン番号を確認できます。正常に表示されればカーネルは動作中です。空白やエラーが表示される場合は、セキュリティソフトにカーネルプロセスがブロックされている可能性が高いです。
- ポートの確認:Verge Rev のデフォルトの混合ポートは 7897 で、Clash for Windows 時代の 7890 とは異なります。本記事のトラブルシューティングコマンドはすべて 7897 を例にしていますが、実際は設定ページの表示に従ってください。
サブスクリプションのインポート:URL の入手先と更新方法
Clash クライアント自体にはノードが含まれていないため、サブスクリプション URL(サービス提供元の管理画面で発行される URL)が必要です。インポート手順:左側の「サブスクリプション」ページを開き、URL を入力欄に貼り付けてインポートをクリックします。クライアントが YAML 設定を取得してリストに表示されるので、カードをクリックして有効化すれば完了です。サブスクリプション URL はアカウント認証情報と同等です。公開グループチャットへの貼り付けやスクリーンショットの共有は避けてください。
インポートに失敗する3つのよくある原因
- サブスクリプションサーバーに届かない:現在のネットワークから直接接続できない場合は、「システムプロキシでサブスクリプションを更新」にチェックを入れるか、先に利用可能なプロキシを手動で有効にしてから更新してください。
- URL のコピー漏れ:サブスクリプション URL には通常 token パラメータが付いています。1文字でも欠けると 403 や 404 が返るため、コピー時は先頭から末尾まですべて選択してください。
- サブスクリプション形式の不一致:一部のサービスはデフォルトで汎用サブスクリプションを発行しており、Clash では解析できません。管理画面で「Clash サブスクリプション」タイプを選んでコピーし直すか、サブスクリプション変換サービスで Clash 形式を生成してください。
更新頻度の決め方
ノードリストは時間とともに古くなるため、自動更新を有効にすることをおすすめします。サブスクリプションカードの設定で更新間隔を 12〜24 時間に設定してください。数分間隔に短縮しても意味がなく、むしろサービス側にレート制限されやすくなります。普段ノードを切り替える前に、カードの更新ボタンを押して手動で一度更新すれば十分です。
システムプロキシと TUN モード:2つのトラフィック接管方式
インストールとサブスクリプションの準備ができたら、最後のステップはシステムのトラフィックを Clash に通すことです。Windows には2つの接管方式があるので、違いを理解してから有効にしましょう。
システムプロキシ(デフォルト推奨)
「システムプロキシ」スイッチをオンにすると、クライアントは Windows のインターネットプロキシを 127.0.0.1:7897 に書き換えます。ブラウザ、メッセンジャー、ほとんどのデスクトップソフトはこのシステム設定を読み込むため、そのまま使えます。コマンドラインツールは通常システムプロキシを参照しないため、環境変数を手動で設定する必要があります。cmd と PowerShell での設定例は次のとおりです。
:: cmd の場合
set HTTP_PROXY=http://127.0.0.1:7897
set HTTPS_PROXY=http://127.0.0.1:7897
:: PowerShell の場合
$env:HTTP_PROXY="http://127.0.0.1:7897"
$env:HTTPS_PROXY="http://127.0.0.1:7897"
TUN モード(全トラフィックを接管)
TUN モードは仮想ネットワークアダプターを作成し、システムプロキシを参照しないソフトウェア(一部のゲーム、UWP アプリ、コマンドラインツール)を含むマシン全体のトラフィックを接管します。Windows で TUN を使うには管理者権限が必要で、Verge Rev の解決策は「サービスモード」のインストールです。設定ページでサービスをインストールすれば、以後 TUN のオンオフで毎回 UAC が表示されなくなります。なお、システムプロキシと TUN はどちらか一方で十分です。両方を同時に有効にすると、トラブルシューティング時にトラフィックがどちらを通っているか分かりにくくなるだけです。初心者はまずシステムプロキシを使い慣れましょう。
UWP アプリは例外
Microsoft Store からダウンロードした UWP アプリは、デフォルトで 127.0.0.1 のループバックアドレスへのアクセスが禁止されており、システムプロキシを有効にしても Clash を通りません。個別のアプリにループバックの例外を設定するか、TUN モードでまとめて回避してください。
よくある問題:権限、ポート競合、プロキシが効かない
ポートが占有されている
起動時に「ポート 7897 はすでに使用されています」や混合ポートの競合が表示される場合、9割は別のプロキシソフトがまだ動いていることが原因です。v2rayN や Clash for Windows の残留プロセスが最も多く、前回の終了処理が不完全でカーネルプロセスがバックグラウンドに残っているケースもあります。次の2つのコマンドで特定できます。
netstat -ano | findstr :7897
tasklist | findstr <PID>
1行目のコマンドは 7897 ポートを占有している接続とその PID を表示し、2行目は PID からプロセス名を逆引きします。ゾンビ化したカーネルプロセスと確認できたら、taskkill /PID <PID> /F で終了してください。現在使用中の別のプロキシソフトの場合は、それを終了するか、Clash の設定で混合ポートを 7899 などの空きポートに変更します。システムプロキシは新しいポートに自動で追従します。
権限と UAC
日常的にシステムプロキシを使う分には管理者権限は不要です。権限昇格が必要なのは2種類の操作だけです。サービスモードのインストールと、サービス未インストールの状態で初めて TUN を有効にするときです。TUN スイッチをクリックしても反応がない場合は、まず設定ページでサービスモードがインストール済みか確認してください。会社の PC でグループポリシーによりサービスのインストールが禁止されている場合は、システムプロキシ方式に戻れば問題ありません。機能の違いは接管範囲だけです。
プロキシを有効にしたのにページが開かない
- プロキシモードの確認:プロキシページの右上が「ルール」モードになっているはずです。「ダイレクト」モードではすべてのトラフィックがプロキシを通りません。切り分けのために一時的に「グローバル」に切り替えてテストできます。
- ノードの速度テスト:プロキシページで遅延テストを実行し、タイムアウトしたノードは別のものに切り替えてください。すべてタイムアウトする場合はサブスクリプションの期限切れがほとんどなので、前のセクションに戻ってサブスクリプションを更新してください。
- ブラウザ拡張機能の競合:SwitchyOmega などのプロキシ拡張機能はシステムプロキシ設定を上書きします。拡張機能を「システムプロキシ」モードに切り替えるか、一時的に無効にしてから再テストしてください。
- DNS 汚染:ルールモードでも目的のサイトが開かない場合は、設定で DNS 上書きを有効にして fake-ip モードに切り替え、ブラウザのキャッシュを一度クリアしてから再試行してください。
仕上げの設定:自動起動と日常メンテナンス
- 自動起動:設定ページで「自動起動」と「サイレント起動」をオンにすると、PC 起動後にクライアントがトレイで待機し、メインウィンドウは表示されません。
- サブスクリプションの自動更新:12〜24 時間間隔を維持し、手動更新と併用すれば十分です。
- ログレベル:普段は info または warning を維持します。トラブルシューティング時だけ一時的に debug に上げ、終わったら元に戻してください。debug のまま長期運用すると速度低下とディスク消費の両方を招きます。
- 設定のバックアップ:サブスクリプション URL と自作ルールファイルのコピーを残しておけば、OS の再インストールや機種変更時にインポートするだけで復元できます。
ここまでの手順を終えれば、Windows 上の Clash は起動してすぐ使える状態になります。その他のクライアントはクライアントダウンロードページ、サブスクリプションとルールの高度な書き方は使用ドキュメントと設定の応用、その他のトラブルはトラブルシューティングをご覧ください。